【電気代高騰により全量売電が不利に】2013年以降に20年売電を始めた人は見直しをしよう

2015年(平成27年)に太陽光を全量契約した方から

全量配線を余剰配線にしてほしい

という依頼が入りました。

2012年(平成24年)に全量契約した方であれば、お住まいの地域によってはまだ

売電単価の方が高い現状

です。

しかし、2013年(平成25年)以降に全量契約した方にとっては今回の電気代アップにより、売電単価よりも

買電単価の方が高いという問題

に直面することとなりました。

今回は全量売電と余剰売電の違いについて解説しつつ、どのような対策を取ればいいのかをお伝えしていきます。

まさひこ

じゃ、レッツゴー!

太陽光の売電方法は2種類ある

ここ最近は売電単価よりも買電単価のほうが高く、

発電した電気は自家消費したい(売電はいらない)

と考える方がほとんどです。

FIT制度が始まった当初は買電単価よりも売電単価のほうが高かったので、

発電した電気は売電に回す

という考え方が一般的でした。

現在は自家消費をメインにするため、屋根面積が広くても

自家消費分しか太陽光パネルを載せない

という考え方が定着しています。

FIT制度が始まった2012年は限られた屋根面にどれだけ多く太陽光パネルを載せて、どれだけ多く売電量を増やすかに重きが置かれていました。

そのため、

屋根面の端から端まで設置している方が多い印象

でした。

稀に

屋根面から太陽光パネルがはみ出している

設計を見かけますが、これは設置基準が無視されています。

設置後に販売店が申請をするメーカー保証が下りないため、このような提案を販売店から受けた場合には一旦検討すると伝えて帰ってもらってください。

太陽光の売電は

■余剰:自家消費して余った電気を売る(10年契約)
■全量:発電した電気をすべて売る(20年契約)

の2つ方法が存在します。

どのお家でも2択用意されているわけではありません。

個人住宅の場合、

余剰配線が一般的

です。

太陽光パネルとパワーコンディショナ(以下、パワコン)の容量を比較して、低いほうの数値が

9.9kW未満の場合

は余剰売電となります。

電気の流れは下記の通りです。

①発電した電気を自宅で使う
②使いきれなくて余った分を電力会社に売る

反対に太陽光パネルとパワコンの容量を比較して、低いほうの数値が10kW以上の場合は

■余剰売電
■全量売電

の2択から選べます。

全量売電の場合の電気の流れは下記の通りです。

①発電した電気は自家消費に回ることなくすべて売電
※自家消費分はすべて電力会社から購入する必要あり

10kW以上の設置をしていても余剰配線にすることはできます。

今一度どのような配線方法で太陽光が設置されているのか確認をしてみるのもいいと思います。

まさひこ

全量売電(配線)にしていても非常用コンセントは使えるので停電時には有効活用できます。

2012年(平成24年)に全量契約をしたのであればまだ売電の方が有利(地域による)

※エコライフ.com様_太陽光発電の売電価格これまでの推移ページから出典
※東京電力エナジーパートナー様_スマートライフプラン説明ページから出典
※中部電力ミライズ様_スマートライフプラン説明ページから出典

2012年(平成24年)に全量売電を始めた方であれば、

2032年(令和14年)まで売電単価40円+税

となります。

この場合、

■東京電力のスマートライフプランを契約している場合:昼間単価35.96円 ※税・再エネ促進賦課金は除く
■中部電力のスマートライフプランを契約している場合:平日の昼間単価(デイタイム)38.95円 ※税・再エネ促進賦課金は除く
※2023年6月現在

であるため、まだ売電単価のほうが高い現状です。

しかし、2013年(平成25年)に全量売電を始めた方の場合、

2033年(令和15年)まで売電単価36円+税

となります。

この場合、

■東京電力のスマートライフプランを契約している場合:売電の方が0.04円高い ※税・再エネ促進賦課金は除く
■中部電力のスマートライフプランを契約している場合:買電の方が2.95円高い ※税・再エネ促進賦課金は除く

となります。

中部電力のスマートライフプランを契約している場合については

既に不利な現状

を迎えています。

まさひこ

今回は東京電力と中部電力のスマートライフプランをピックアップしていますが、他の電力会社についても電気代が高騰しています。

売電単価よりも買電単価の方が高い場合は余剰配線を検討しよう

■余剰配線の場合:電力メーターを経由しているので電気代の削減が可能
■全量配線の場合:電力メーカーを経由していないので電気代の削減が不可能

余剰配線であれば発電した電気を自家消費できるため、

電気代が安く

なります。

しかし、全量配線に関しては

自家消費できる配線になっていない

ため、太陽光パネルがついていても

電気代は変わらない

です。

■太陽光パネルを全量で設置した時期
■そのタイミングでの電気料金
■購入している電力会社

によっても違いがありますが、売電単価よりも購入単価のほうが高いのであれば

余剰配線への切替工事がおすすめ

です。

配線工事についても

太陽光を設置した会社に相談する

のが一番手っ取り早いです。

販売店が既に倒産してしまったという場合は、太陽光の見積もり比較サイトで問い合わせをすることをおすすめします。

張り替え工事自体は

約15万円前後(税抜)

でできます。

しかし、張り替え工事をしたら完了というわけではありません。

別途、

電気の引込用メーターの導入と取り付け

をする必要があります。

この引込用メーターに関しては太陽光の販売店ではなく

管轄している電力会社が受付窓口

です。

こちらに支払う費用も約10万円ほどありますので、トータルすると約25万円(税抜)は必要です。

まさひこ

2014年(平成26年)以降に太陽光を全量で契約した方については不利な現状を迎えている方が多いと思います。電気代の高騰に歯止めをかけるためにも早めの行動が無難です。

最後にひとこと

今回は「全量売電(配線)を始めたタイミングによっては売電単価よりも買電単価の方が上回っている可能性があるため、余剰配線への切り替えを検討しよう」という話題について解説しました。

電気を購入している電力会社によっては

売電単価よりも購入単価のほうが高い

場合があります。

全量の場合、発電した電気がすべて売電に回る配線になっているため

電気代が安くならない

です。

しかし、余剰の場合は発電した電気を自家消費することができるため

電気代が安く

なります。

より詳しい説明を希望される方は優良店が多い

価格比較サイト

に登録されることをおすすめします。

嵐のように3~5社から一斉に連絡が来るタイナビ/グリエネとは異なり

専任のアドバイザーがついて情報を集約してくれる

サイトもあります。

各販売店との対応が煩わしい方であれば専任のアドバイザーがつく比較サイト(ソーラーパートナーズ)が断然おすすめです。

  • この記事を書いた人

まさひこ

ご訪問いただきありがとうございます。 今まで太陽光の個人宅営業を11年間経験してきたまさひこと申します。現在は今まで培ってきた経験を元に太陽光業界専門のライターをやっています。 個人宅営業をしていた際、説明されている内容が間違っていたり、太陽光=悪と伝わっているケースが多かったため啓蒙活動も兼ねてブログを開設しました。 よく出る質問や太陽光業界のニュース、大手解説サイトでは語られない真実をまとめていくので少しでも検討の力になれたら嬉しいです。 今までに「販売店から出た見積額が適正かどうか調べてほしい」「どのような質問をしたら優良店と見抜けるのか」といった質問をメールでいただきました。 zoomでの説明も可能なため、是非ともまさひこを有効活用してください。すぐ下のメールボタンかお問い合わせ欄からご連絡お待ちしております。

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