蓄電池を検討している方から
性能表示ラベルってなに?
という質問がありました。
これは名前の通り
蓄電池の性能を表したラベル
です。
蓄電池に関する情報がすべて掲載されるので蓄電池検討の材料になります。
今回は蓄電池の性能表示ラベルについて解説していきます。

じゃ、レッツゴー!
性能表示ラベルで分かること

今まで蓄電池の性能を知るには
■人(販売店)から聞く
■テレビや新聞を見る
■商品カタログを見る
■商品が掲載されているホームページを見る
といった方法しかありませんでした。

知りたい情報がすぐに見つかれば良いですが、メーカーは
自分たちのマイナスポイントを隠す傾向
にあるため、必ずしも記載があるかと言ったら無い場合もあります。

そこで一般社団法人_日本電機工業会という団体が
蓄電池を比較するうえでの情報をまとめた
性能表示ラベルを出しました。
このラベルには
■初期実効容量:新品で通常時に満充電から利用可能な電力量
■初期停電時放電容量:新品で停電時に満充電から利用可能な電力量
■蓄電池容量:蓄電システムに蓄えられる電力量
■システム容量使用率(系統連系時):通常時に使える電力量の周囲温度毎の効率
■システム容量使用率(停電時):停電時に使える電力量の周囲温度毎の効率
■システム充放電効率:蓄電システムの充電時・放電時の電力効率
■想定使用期間:蓄電システムを安全に使用できる期間
■システム生涯蓄電容量:蓄電システムを寿命まで使い続けた場合に利用可能な総電力量
■運転音:運転時の発生音
■防じん防水性能:ちりやほこり、水の蓄電システムへの入りにくさ
■蓄電池劣化時の安全性:長期間使用した時点の安全性
※日本電機工業会様_蓄電システム性能表示ラベル パンフレットから引用
https://www.jema-net.or.jp/living/chikuden/pdf/leaflet.pdf
がひとまとめになっているため、このラベルさえ見つけられれば必要情報が揃うことを意味します。

飛び込み業者がいう「○○が一番いい!」という営業トークに疑いの目を持つことができます。
各メーカーの性能表示ラベル ※2025年10月現在のラインナップ

■ダイヤゼブラ電機(アイビス7)
■京セラ(エネレッツァプラス)
■エリーパワー
■パナソニック
■長州産業(スマートPVマルチ)
■ニチコン
■住友電気工業(パワーデポ)
■オムロン ※ページ下部に記載
■シャープ
■ファーウェイ
■ハンファ ※ページ下部に記載
蓄電池の主力メーカーをピックアップしているため、省略しているメーカーもあります。

インターネットの検索窓で「蓄電池性能表示ラベル ○○(←メーカー名)」というワードで検索をすれば引っかかります。
本当のサイクル数の計算方法

どの家電製品であったとしても
寿命
は気になるポイントの1つだと私は思っています。
蓄電池の寿命の単位は年ではなく
サイクル
で表示されています。

このサイクルはあくまで
メーカーが算出した数字
であり、本当にこの年数もつのかと言われると信憑性に欠けます。
そこで蓄電池が持つ
本当のサイクル数の算出方法
についてお伝えします。

システム生涯蓄電容量÷初期実効容量
上記の画像は京セラから出ているエネレッツァプラス_容量11.0kWh(型番:EGS-MC1100)の性能表示ラベルです。
先ほどお伝えした計算式に沿って数字を当てはめると
35,368kWh(システム生涯蓄電容量)÷9.4kWh(初期実効容量)=約3,763サイクル
となります。

京セラのホームページを見るとエネレッツァプラスに関しては
20,000サイクルで約60%を維持
と記載がされています。
しかし、実際は約3,763サイクルであるため、1日1サイクル想定とした場合
約3,763÷365日(1年)=10.3年
となります。

メーカーが算出した20,000サイクルで計算すると
約54.8年もつ計算
が、
実際は10.3年という計算
になります。

京セラに限ったわけではなく、大半のメーカーが公表サイクルと実際のサイクルに乖離があります。
実際に見えた寿命の長いメーカー

2つ前の単元でお伝えした各メーカーの性能表示ラベルをもとに、実際のサイクル数を計算した結果が以下の通りとなります。
各メーカーが持つすべての蓄電池を検証すると数が多くなるため、
主力蓄電池のみ
としています。

■ダイヤゼブラ電機(アイビス7):容量7.1kWh(カタログ表記だと7.04kWh)_型番EKH3A→約5,234サイクル
■京セラ(エネレッツァプラス):容量11.0kWh_型番EGS-MC1100→約3,763サイクル
■エリーパワー:容量12.9kWh_型番EPS-41D→約13,120サイクル
■パナソニック:容量11.2kWh_型番PLJ-RC41112→約4,093サイクル
■長州産業(スマートPVマルチ):容量12.7kWh_型番CB-P127M06A→約4,962サイクル
■ニチコン:容量14.9kWh_型番ESS-T5X1→約4,410サイクル
■住友電気工業(パワーデポ):容量12.8kWh_型番PDH-6000S01A→約5,085サイクル
■オムロン ※ページ下部に記載:長州産業(スマートPVマルチ)と同じ
■シャープ:容量9.5kWh_型番JH-WBPDB660→約9,878サイクル
■ファーウェイ:容量14.3kWh_型番LUNA2000-4.95-14-N→約5,834サイクル
■ハンファ ※ページ下部に記載:容量9.7kWh_型番QREADY-97-P2→約5,052サイクル

結果、
■最も寿命が長いメーカー:エリーパワー
■最も寿命が短いメーカー:京セラ
となりました。
比較する容量帯によっても判断が異なるため、上記はあくまで全体平均と捉えてください。

カタログで良いことばかり書いているメーカーに関しては要注意です。
最後にひとこと
今回は「蓄電池の性能表示ラベル」について解説しました。
このラベルには蓄電池を比較検討するのに必要な
11項目の記載
があります。
システム生涯蓄電容量÷初期実効容量
をすると蓄電池が持つ本当のサイクル数を知ることができ、検証の結果
寿命が最も長いメーカーはエリーパワー
でした。

より詳しい説明を希望される方は優良店が多い
に登録されることをおすすめします。
価格比較サイトは入口が太陽光メインで蓄電池についてはオプションのサイトもあれば、
蓄電池メイン
で対応しているサイトもあります。
蓄電池の検討であれば蓄電池メインの比較サイト(エコ×エネの相談窓口)が断然おすすめです。