太陽光や蓄電池の最新情報に詳しい方から
ハンファからN型バックコンタクトセルが出た
と連絡が来ました。
2025年4月現在、N型バックコンタクトのパネルを出しているのは
マキシオンのみ
です。
ここにハンファが加わることによってどう市場が変わるのか非常に楽しみです。
今回はハンファのN型バックコンタクトについて解説していきます。

じゃ、レッツゴー!
情報の出どころ

ハンファがN型バックコンタクトセルを発表したことが書かれているのは
という再生可能エネルギーに関する情報サイトや雑誌を出している
情報メディア
です。
ちなみに2025年4月10日発行分に記載があります。

基本的に
有料メディア
です。
しかし、東京ビッグサイトや幕張メッセといった大型会場でPV EXPOを開催しているタイミングに行くと
特別版が無料で手に入る
こともあります。

業界の人であれば目を通しておきたいメディアです。
N型とP型の違い

今回紹介しているN型バックコンタクトセルは
①N型
②バックコンタクト
の2つの技術に分けることができます。
まずN型から解説します。
N型とよく対比されるのがP型です。

これらは
■N型:negative(ネガティブ)
■P型:positive(ポジティブ)
の頭文字を取っています。
日本語に訳すとネガティブ(N型)が否定的、ポジティブ(P型)が活動的という意味になるためポジティブ(P型)の方が良さそうに聞こえます。
しかし、これを太陽光パネルに置き換えると
ネガティブ(N型)の方が良い
とされています。

理由は太陽光パネルの中に入っている
自由電子の動き方
にあります。
ネガティブであれば消極的であるため、電子同士が動かずにその場でじっとしている関係で
電気のロスが起きにくい
です。
反対にポジティブであれば活動的であるため、電子同士が動き回り
電気のロスが起きやすく
なります。

2025年4月現在ではほとんどのメーカーが
P型パネルのみ
を取り扱っています。
しかし、今回紹介しているハンファに関しては
N型パネルとP型パネルの2種類
を取り扱っています。
具体的には
■N型パネル:Qセルズブランド(2025年4月現在のパネル型番:Q.TRON M-G2.4+ 440)
■P型パネル:ハンファブランド(2025年4月現在のパネル型番:Re.RISE-G3 440)
です。
それぞれのパネルの違いについてはこちらのページで解説しています。

それぞれのメーカーからP型・N型パネルが登場すれば価格競争が起こりそうです。
バックコンタクトのありなし

先ほどの単元で太陽光パネルの性質がN型とP型の2種類あることに関して解説しました。
バックコンタクトについても
■あり
■なし
の2種類あります。
2025年4月現在ではバックコンタクトありが
ハンファとマキシオン
の2社、バックコンタクトなしが上記以外のメーカーすべてとなります。

バックコンタクトは通常太陽光パネルの表面にある白い線(バスバー)が表面ではなく
裏面にある
というのが特徴です。
ハンファカタログに掲載されている画像を読み解くと、バックコンタクトにしたことにより
発電性能6%向上
といったメリットが生まれます。

6%向上と言われてもピンと来ない方がいると思います。
太陽光パネルを5kW設置すると年間発電量は
ざっくり5,000kWh
になりますが、それが
5,300kWhに増える
イメージです。※屋根条件無視

同じ屋根面積で年間発電量が増えるのであれば嬉しいです。
ハンファが発表したN型バックコンタクトの特長

ハンファが発表したN型バックコンタクトの特長は
①低照度特性が優れている
②パネルサイズが小さい
③出力保証期間が延びる
というラインナップです。
①の低照度特性についてはQセルズを買収したときからずっと存在している特徴です。
たまに
低照度特性がついているのはQセルズブランドだけでしょ?
と聞かれることがありますが、ハンファブランド(Re.RISE)にもついています。

②については驚きです。
ハンファ含めて大体のメーカーのパネルサイズは
横1722×縦1134が多い
です。
これがさらに小さくなると小型パネルが強い長州産業のシェアも脅かされるのではないでしょうか。

③はどれくらい延びるのかに期待したいところです。
ハンファの出力保証は2025年4月現在
25年
です。
ちなみに出力保証が長いメーカーは下記の通りです。
30年に延びるのであればネクストエナジーに並び、40年に延びるのであればマキシオンに並びます。

保証期間が長いと魅力的に見えますが、出力保証は
設置している太陽光パネルをいったん取り外し
て、それをメーカーの倉庫に送ることで初めて計測ができるという面倒な保証です。
パネルの取り外しに発生した費用や足場代に関しては
すべて依頼した施主さま負担になる
ため、後々出力保証を使うかどうかはよく検討したほうがいいです。

よくついていても意味ない保証と言われがちです。
最後にひとこと
今回は「ハンファが発表したN型バックコンタクト」について解説しました。
2025年4月現在、N型バックコンタクトパネルを市場に出しているメーカーはハンファとマキシオンの2社存在します。
しかし、ハンファはマキシオンにはない
①低照度特性が優れている
②パネルサイズが小さい
といった特長があるため、いい起爆剤になってくれそうです。
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