太陽光パネルを南北切妻の南面に設置している方から
光熱費をより削減するために防眩パネルへの設置を勧められたんだけどどうなの?
と質問がありました。
防眩パネルは基本的に
載せられる面が北しかない場合
におすすめできるパネルです。
既に北以外の面に太陽光パネルが載っているのであれば増やさないほうがいいです。
今回はなぜ増やさないほうがいいのかについて解説していきます。

じゃ、レッツゴー!
目次
防眩パネルの特長

防眩パネルはガラスの表面に
AG(アンチグレア)加工
を施し、凹凸形状を作ることにより
太陽の光を乱反射
させています。

乱反射させることにより
光が一点に集中しない
ため、眩しさを抑えることができます。
通常の太陽光パネルを北面に載せると光が反射するため、契約の際に
北面設置同意書
を販売店とお客さん間で取り交わす必要があります。

しかし、防眩パネルの場合は
約9割の光がカット
されるため、北面設置同意書の提出を必要としないメーカーもあります。
防眩パネルについてはこちらのページでも解説しています。

北面設置同意書は北面に設置をしない限り話に出てきません。
おすすめできない理由① 北面に設置するための仕様になっている

先ほどの単元でも紹介したとおり、防眩パネルは
眩しさを防ぐことが目的
で製造されているため、太陽光パネルの
発電量や変換効率に関しては低め
となっています。

例えば新築の場合は補助金をもらうために太陽光パネルをつけたいが
設置できるスペースが北面しか空いていない…
というシーンで使用します。
そのため、
■南北切妻:南面
■寄棟:西面・南面・東面
に太陽光パネルを設置しているであればもう十分です。

太陽光システムを導入した当時は価格が高すぎて
東西切妻の東面(あるいは西面)しか載せていない…
という場合には西面(あるいは東面)が空いています。
西面(あるいは東面)には防眩パネルではなくぜひ
通常のパネル
を選択してください。

通常のパネルのほうが発電量も発電効率も高いです。
おすすめできない理由② 設置容量の変更申請をする必要がある

太陽光システムを経済産業省に申請する際、
■太陽光容量
■パワーコンディショナ(=以下、パワコン)容量
の低いほうの数値を申請します。
例えば、
■太陽光容量:7.92kW
■パワコン容量:5.5kW
の場合、申請するのはパワコン容量である5.5kWのほうです。

「太陽光パネルを増設する」
とひとことで言っても太陽光パネルだけではなく、
パワコンも追加
しなくてはならない可能性があります。
設置容量が9.9kW以内に収まるのであれば特に問題なく終わりますが、設置容量が10kWを超える場合については要注意です。

増設をしたタイミングがFIT期間中である場合、増設をした年度の
10kW以上の単価に強制移行
します。
2025年度の10kW以上の単価は
10円/kWh
であるため、仮に2022年度に売電開始したのであれば17円→10円に下がります。

9.9kWを超えなければいい話です。
おすすめできない理由③ 屋根方位による発電効率が低い

上記の図はシャープの太陽光カタログに記載があります。
シャープに限らず、防眩パネルが出る前は基本的に
北面設置はNG
でした。
しかし、ここに来て防眩パネルが登場したため、今後の各太陽光メーカーの在り方がどうなるのか見ものです。

各方位の勾配が30度の屋根/屋根方位が真南と想定した場合、発電効率は
■南面:100%
■西面/東面:85%
■北面:66%
となります。
単純に北面は南面と比べると
約4割発電効率が低い
です。

発電効率が低い面に
■発電量が低い
■変換効率が低い
パネルを追加したところで良い効果は見込めません。
飛び込み業者は良いことを言うプロであるため、口車に乗せられて検討開始するというのは避けてください。

設置業者に確認するのもありです。
最後にひとこと
今回は「太陽光パネル設置済みの家で北面に防眩パネルの増設がおすすめできない理由」について解説しました。
理由は
①北面に設置するための仕様になっている
②設置容量の変更申請をする必要がある
③屋根方位による発電効率が低い
の3点あります。
特に③については南を100%とすると、北は66%と約4割も発電効率が落ちるためおすすめできません。

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